2014年初頭、突然のニュースが世間を騒がせた、それがSTAP細胞誕生のニュース
理化学研究所が開発したIPS細胞に取って変わる万能細胞と言われ、研究者の小保方晴子氏を一躍ヒロインへと押し上げるものであった
ではSTAP細胞とはどういったものであったのであろうか
生物のどんな組織へも成長する事が出来る細胞の萌芽は万能細胞と言われ、ES細胞、IPS細胞と開発されてきたことはその4で語った、また、癌化、奇形化などの問題により研究が進んで居ないことも述べた
そこに突然彗星のように登場したのがSTAP細胞であった
IPS細胞がDNAの改変という複雑なプロセスを経るのと違い、STAP細胞は極シンプルなモデルである事が特徴であった
通常マウスや人から抽出した細胞は皮膚なら皮膚、臓器なら臓器と言ったデータ自体は持つもので有るが、注質された時点でもう分化する事を停止し、それ以上増えることは無い
所がSTAP細胞とはこの抽出した細胞をオレンジ色をした酸性の溶液に浸し刺激を加えるとでSTAP化という現象が起こり、細胞の遺伝子の記憶は一旦初期化されて、以降どのような器官へも成長する事が可能な言わば細胞の赤ちゃんを作り出す事が出来る、この初期化した細胞がSTAP細胞だ
このSTAP細胞に更に酸性の刺激を与える事で自己増殖へのスイッチを入れたものがSTAP細胞幹となり、これこそがまさしくどの様な組織へも培養成長する事が可能な万能細胞と言う事になる
これが事実であれば画期的な発明で、DNAをいじると言ったリスクある方法と違い、より生命の通常の反応の延長線上に近い事で、癌化、奇形化のリスクも低減し、もしその人個人の細胞を培養する事が可能になれば、移植医療に置ける最大の問題、拒絶反応をも解決する事が出来るのではと期待された
だが、センセーショナルな話題となったのは一瞬で、小保方さんの論文の捏造に端を発したマスメディアを上げての総攻撃に発展した
その後、理研自体が笹井氏をリーダとした小保方さんらのチームで実証実験を行ったが、満足の行く成果を得る事が出来ずに研究自体が捏造とされ、闇に葬り去られてしまった事は皆さんご承知の通りである
次回はいよいよ最終回、STAP細胞の研究の流れにおける人物関係を紐解きながら、本当は何が起こっていたのか、検証してみたい
つづく